健常人の尿のpHは平均6.0と言われています。しかし、ある理由により尿のpHが変動することがわかっています。それらをまとめてみましょう。
目次
食事による変動
食事によって尿のpHは4.5〜8.0の間を移動するといわれています。
一般に動物性食品(肉など)を食べると酸性に、植物性食品(野菜など)を食べるとアルカリ性に変動します。よって尿pHの変動をみたときには患者さんへ問診をすることが大事になります。
尿が酸性になる病態
食事による変動を問診で聞いた後は、病気による変動を確認します。
❶代謝性アシドーシス
酸が増加する場合・・・糖尿病性アシドーシス、乳酸アシドーシス(運動後に多い)、飢餓
重炭酸が減少する場合・・・下痢など
❷呼吸性アシドーシス
肺換気量の低下によりCO2が蓄積しておこる。
❸薬剤性
ペニシリン・テトラサイクリン・リン酸の尿路結石の予防薬・ビタミンCなど
❹K欠乏
K欠乏ではアルカローシスを呈するが、H+の排泄が増すため酸性尿を呈する。これは矛盾性酸性尿と言われる。
尿がアルカリ性になる病態
❶代謝性アルカローシス
体液中のH+の減少を補充する為に尿細管で再吸収が起こる。
❷呼吸性アルカローシス
過換気によりHCO3-排泄が増し、血中H+が減少し、尿中排泄も減る。
❸薬剤性
エリスロマイシン・サルファ剤・尿酸やシュウ酸やシスチン結石の治療薬など
❹尿路感染症
最後の最後で最も大事なやつです。細菌が尿中の尿素を分解しアンモニアを生成するためアルカリ尿となります。